ヘリによる山岳救助に関するテレビ番組の紹介
2002年の2月、ちょうどヘリによる山岳遭難救助の第一人者の篠原秋彦氏が亡くなってすぐに立て続けにスイスとフランスにおけるアルプス山岳遭難救助におけるヘリコプターのドキュメンタリー番組がNHKから放映された。ちょうど篠原氏を追悼するようなタイミングであった。これは遅い時間のテレビ放映のこともあり、この番組を見ることができた人は少数であると思われるが、映像による実際の迫力は残念ながらお伝えできないが、内容のメモを参考に記録しておきます。
アルプスの空飛ぶドクター 50分
シャモニー山岳病院
NHK衛星第一放送
ワールドドキュメタリー 50分
2002年2月2日放送
制作 ジュデオン プログラム
フランス 2001年
アルプス・モンブランのふもとのシャモニー山岳病院で山岳事故の緊急救命医療が行われている。
創設者のベルナール・マルシニー医師による説明が中心となっている。
この病院の運営はすべて寄付によってまかなわれている
死体の運搬の仕事だった山岳救助の仕事から医師をヘリではこぶフライングドクターへ変貌させた。
高齢者は痛みを訴えないので注意が必要、本人の自覚がなくても骨折していることがよくある。
無線と(携帯電話)で救助を要請される。スイスでは公開バンドが緊急用に使われている。
医師のヘルメットに取りつけた小型カメラで救助の現場の様子が紹介されている。
この番組の中では非常に機能的な医者のレスキューザックが使われており、このザックの写真はシャモニー山岳病院の公式サイトで見ることができる
このシャモニー山岳病院では凍傷の研究が進んでいる。
以前は1ヶ月たたなければ切断かどうかの判断ができないかったが今では2日でその判断ができるようになった。凍傷は2、3日間が一番重要な時期でその間の治療がもっとも効果的になる。
凍傷も緊急を要する一つで救助後2日間ですばやい処理が必要。
この番組の中では具体的な症状のケースが取り上げられている。ヘリによる救助部分よりは医学的部分が多い。
赤と青に塗装された2機のヘリを使用機種はいずれもAlouette III Aerospatiale SA.316/319
8月には一日に20回出動することもあった。これは最大の出動回数となる。
救助隊員にはケアが必要。他人の苦痛を目の当たりにして自分たちが平気でいられはずがなく、精神分析医が必要だと思うとの意見が隊員から出ている。
設立から6年、たくさんの登山者が押し寄せる夏と冬のシーズンを除くと業務が激減する。
高い理想を掲げて設立された病院だが経営難の理由で現在存続が危ぶまれている。
シャモニー山岳病院公式webサイト:http://perso.wanadoo.fr/dmtmcham/dmtm_uk.htm
シャモニー日本語版公式webサイト:http://www.europe-alps.com/chamonix/index.htmlこのシャモニーの救助隊のヘリパイロットの訓練については、2001年の山と渓谷7月号、ヘリコプター救助を考える[前編]に紹介されており、軍隊で4,000時間以上の飛行経験を有するパイロットに対して6ヶ月間に渡り現場の山岳地帯で慣熟飛行訓練を実施していると紹介されている。
アルプス山岳救助隊・スイス・ツェルマット
エアーツェルマットのヘリコプター 30分
2002年2月31日(再放送)
NHK総合放送
地球の街頭
平成12年11月3日放送
Zermattでは4名のパイロットが交代で勤務、パイロットは地元村の出身
モンテローザ山の山小屋(アルプスでも最も高い所にある)への食料を運ぶ仕事もこなす、29の4000m急の山を守備範囲とする。
Zermattは3700人のスイスの村、山岳救助隊のヘリポートは騒音対策から村の中心から離れている。
携帯電話で遭難者は位置を連絡してくるケースが多く、指令を受けて3分以内で飛びたつ。
岩肌すれすれに飛ぶなければ遭難者を発見できないため、岸壁に1mまで接近、ホバリングする。
救助隊員としての訓練を受けて山岳救助隊に就職する。
救助活動は、年間1000件を超えることもある。
業務全体の中で救助活動は全体の10数パーセントにしかすぎない。
24時間体制
観光、荷物の運搬、映画TVの撮影が主な収入源となっている。
木材運びでパイロットの訓練を行っている。
整備士、医師、パイロットのチームワークが必要。
ヘリは観光に使うこともあるので常時表面をきれいにしている。
クレパス救助は最低でも4名の隊員が必要、特別な機材(クレパス救助用三脚)を使用し、この機材で幅3m深さ20mのクレパスまで対応可能。
Zermattの基地で使用され番組に登場するヘリコプターは、
HBXSU AS.350B1 Ecureuil (cvt B2 1992)
HBXFX SA.315B Lama
HBXTU SA.315B Lama
web情報によるとAir Zermatt AGは、1968年に一人のパイロットにより設立され現在では、Zermattを中心にスイス国内に3ヶ所の拠点を持ち44名のメンバーの部隊構成となっている。山岳救助隊Air Zermatt AGの公式webサイト:http://www.airzermatt.ch/
このwebでは豊富な写真とヘリの活動の様子を見ることができる。